小学生時代、将来の夢は「ひとり暮らし」|コラム|毒親育ち

「将来の夢」は叶いましたか?
今学生の方は、「将来の夢」を叶えようと努力しているのかもしれません。

筆者の「将来の夢」は叶いました。
それは「ひとり暮らし」という夢でした。

 

偶然か必然か、好きでもないのに「ひとり暮らし」をしている人もいれば、望んで「ひとり暮らし」をしている方もいらっしゃることでしょう。

筆者の場合は望んでいました。
それも小学生の頃に。

 

他にも夢はありました。
画家、小説家など、なりたいなって思っていました。

しかし母親からは散々馬鹿にされて嗤われました。
そのうちに本当の将来の夢であった画家や小説家の言葉を口にすることはなくなりました。

親が喜ぶ硬い職業「公務員」という言葉を口に出すと、親はわかりやすいほど喜びました。

後から気づいたことですが、親は自分たちの老後の面倒を全て筆者に見させる気でした。
男兄弟がいるのですが、その嫁には全く期待せず、実の娘の人生を自分たちのために使う気でした。
実際に中学生の頃に「面倒見てよ」と言われました。
娘の人生を自分のものだと思っているようでした。

 

どうして将来の夢が「ひとり暮らし」だったのか。
まともな親に育てられた人なら、まずそんな言葉出てこないと思います。

自分にはまずプライバシーがありませんでした。
これも余談ですが、高校生になっても自分の部屋を与えてもらえず、着替え中に平気で親が入ってきたりしました。自宅なのにトイレで着替えたりしていました。
ちょっと電話をしていれば聞き耳を立てられるので、外に出て電話したりしました。
夜寝る時もさも当然のように母親が一緒に寝てきて、発情した父親が入ってきては母親がどっちだと探しているので寝たフリをしていました。自宅なのにいつも寝不足でした。

「自分の時間」というものが死ぬ気でほしかったし、わたしを「女扱い」して気持ち悪い目線を向けてくる父親から逃げたかった。
母親は妙に嫉妬深いところもあって、そういうのを知るとわたしに何をしてくるのか分からないから言えませんでした。

 

親は都合の悪いことや面倒なことには一切関わろうとせず、その「都合の悪いこと」や「面倒なこと」には「娘の世話」が含まれていました。

学校で「親に協力してもらう」ことが必要な宿題も、「自分でやれ」と寝たふりしてやりすごす母親や、背中を向けて一切話を聞こうとしない父親。
他の友達はみんな親に協力してもらっているのに・・・
それで宿題ができなくても親からは「お前が悪い」と相手にされませんでした。

 

筆者の親はとにかく「ご都合主義」でした。
自分たちが楽できれば良い、自分たちが安心できれば良い。
家族が楽できれば良い、家族が安心できれば良い。
その「家族」の中に、わたしは含まれませんでした。

では親にとって私は一体なんだったのか。
「家政婦」「所有物」「いざとなったら売る子」「親専用のカウンセラー」

考えすぎだ、と言われるかもしれません。
私自身、考えすぎであればどれだけ楽だっただろうと思います。

 

透明になりたい。
消えてしまいたい。

毒親育ちの人はほとんど思うその気持ちをわたしも持っていました。
「通常」や「日常」で親の目にわたしの存在は見えていませんでした。

 

挨拶や日常会話なんてほとんどありません。
自宅なのに無言です。

親は都合の良い時だけ急にわたしの存在が目に入り、猫撫で声で擦り寄ってくるんです。
自宅でもほとんど無視されていたわたしにとって、小学生の当時はそれでも嬉しくて、「親の願い事」を叶えてあげていました。

 

小学生のクラスメイトや友達はわたしの話を信じませんでした。
(それは高校生まで続きました)

「そんなのおかしい」
「そんな親いない」

わたしの話を聞いてくれる人はいなくて、家でも学校でもほとんど無言でした。

 

自然と「ひとり暮らし」が夢になって、自分のお城を作る妄想で心の中が踊っていました。
自分専用の空間で、何をしようって考えているのは楽しかったです。

 

高校卒業と同時に家を出ました。
しかしやっぱり親が邪魔してきました。

 

実際「ひとり暮らし」はできました。
だけど問題はあって、わたしの住む部屋を、親がわたしなしで決めて、家具や家電もわたしがバイトに行っている隙にこっそりと買ってきたんです。

わたしに何も言わないで……

知ったときには唖然としました。
これじゃあ「親の作った空間」で、「親に監視されているような空間」で、わたしの夢のひとり暮らしとは違う。

 

心の中に、初めて「怒り」を覚えました。
無口無言であるが故に感情さえ滅多に出ないわたしが、怒る。

それほどのことを親はやったのだと。

 

しかし「怒り」を親にぶつけることはありませんでした。
全力で押さえ込みました。

「ひとり暮らし」ができなくなると困るからです。
わたしはまだ未成年で、世間は色々と「親の許可」を求めるのです。

親はわたしに感謝を求めました。
「やってやった」とやたら上から目線でした。
わたしの自立を奪い、意志や意向を無視し、横暴で主観的な主張を一方的にぶつけて、わたしの意見を許さない。
まともな親だったらまずひとり暮らしする張本人に「どんな部屋にしたいか」などの意見を聞いて、家具家電も予算内でどんなものがいいかなど一緒に見に行くものじゃないでしょうか・・・?

 

わたしは何も言いませんでした。
もともとほとんど喋らないので、何も言わなくても親は勝手に解釈して満足げにしていました。

 

今はもういい大人になって完全に親の手を離れて、なんなら絶縁すらしてひとり暮らしをしています。
インテリアが苦手で誰かに手を貸して欲しいのですが友達もいないので部屋がぐちゃぐちゃで、でも誰も来ないしまぁいいかという状態です。

 

将来の夢が「ひとり暮らし」だなんて普通だったらないでしょう。

これは毒親エピソードのうちの一つです。