実は国家公務員でした。
1ヶ月だけ。
すぐに辞めてしまった理由をお話しします。
国家公務員になった理由
国家公務員になった理由。
「国家公務員になりたい」と学生時代に嘘をつきました。
世間体というか、大人のために口にしたカモフラージュでした。
本当の夢は他にありました。
だけど親や先生は、わたしの「本当の夢」にいい顔をしませんでした。
全く応援してもらえずバカにされるんです。毒親ですからね。
「本当の夢」を口にすれば、ひどい時には罰のようにご飯をくれなかったり無視されたりしました。
そんな状態で「本当の夢」を声に出し続けるほどわたしは強くはありませんでした。
心の中に「本当の夢」を隠し持った状態で、親や先生を喜ばせるために「公務員になりたい」と話していました。
周りの大人を安心させるためにそう言っていただけです。
だけど、本当に国家公務員になりました。
言霊ってすごいですね・・・
国家公務員になって与えられた仕事
国家公務員になって、地方の小さな事務所に配属されました。
仕事は・・・正直よくわかりませんでした笑
教えてくれるはずの人が「仕事がわからない」と言って色々な人へ電話していました。
だから何もしない日も多くて、困りました。
これでお金もらえるの・・・?って。
教えてくれる人が忙しくて時間に追われている時に限って、なぜかわたしに仕事を教えようとしてくれました。
しかも早口で。
それで満足げに「教えた」と言われる感じ。
肝心の仕事は教えてくれないのに、「今度合コン開く」とか、そういうことには積極的に声をかけられました。
「タイプ教えて」とか、「いつまでに結婚したい?」とか。
笑ってごまかしましたが、
仕事を教えてくれっ!
と内心思っていました。
また別の人からは、
「あなたがいるだけで事務所が明るくなるね」
「花だね」
と声をかけられることがありましたが、わたしは無口なので、当時は意味がわからなかったです。
まだ若くて服装だけは明るかったので、そういうことかなと思っていました。
とにかく男性が多く働いていて、関係先(?)に連れて行かれた時には相手の男の人(多分偉い人)から名刺をもらって「いつでも連絡して」って笑われました。
当時は「何の用事があって呼ぶ必要があるんだろう?」と疑問でしたが、今思えば下心だったんですね・・・
与えられた仕事はなんだろう・・・
何もなかったのかな。
電話の取次をしようとしたら、上司に慌てられました。
あれは何だったんだろう?
今考えてもわからないです。電話の取次だけなのにあの慌てぶり。
「とにかく居ればいい」
みたいなのも辛かったです。
国家公務員になってとても嫌だったこと
- 周りに女性がいなかったこと。
- 男の人の下品な笑い声
- 接待
- 上の言うことは絶対
こんな感じかな。
「女性だから」と求められるものも辛かった。
当時は今ほどジェンダー平等は叫ばれていなくて、直接言われるわけではないですが「女性だから」と暗に求められる部分が多く、小さな事務所で女性がわたしだけで、さらに20代のもわたしだけだったので、相談できる相手もいなかったのがとにかく辛かったです。
それから、これも直接言われたわけではないのですが、「上の言うことは絶対」という雰囲気も感じました。
白いことでも上の人が黒と言えば黒と言わなければならない。
個性や感情や自分の意見というものは求められていなく、虚しくなっていきました。
ささやかに歓迎会を開いてくれました。
おじさんたちに囲まれて無理に笑うのも辛かったな。
帰ろうとしたら「今日は帰ってもいいよ、今日はね」と目を合わせないで言われました。
「次は帰ることはできない」という意味なのは、当時の無知なわたしでも気付きました。
国家公務員を辞めた理由
- 本当の夢があったこと
- 仕事内容がよくわからなかったこと
- 個性を全く求められていなかったこと
- 相談できる人がいなかったこと
辞めた理由はそんな感じです。
まだ若くて守るものがなかった身軽さも辞めた要因だったかもしれません。
ただあの環境で無理して働いていたら心が壊れるだろうなって今も思います。
知らない街で、話せる人がいなくて、なりたくもなかった仕事で、頑張り続けるほど強くはありませんでした。
最後に
今はあの頃よりだいぶ経験を積んで、色々なことが見えています。
国家公務員のいる場所(税務署や裁判所)に行くと、働いている人たちは無表情だったりして、感じ悪いと思うよりは「そうなっちゃうよね・・・」なんて共感してしまいます。
個性が嫌われる場所で、心を無にしないとやっていけない人も多いはずです。
辞めたことを後悔していません。
あのまま働き続けていたら、どうなっていたか・・・
想像しただけでめまいがします。
心なんてぶっ壊されていたことでしょう。
毒親育ちでただでさえ心が壊れているのに、それを超えたら死があるのみです。
個性のいらない場所。
順々さだけを求められる場所。
今はどうなのかわかりませんが、あの頃の女性は立場が弱かった。
小さな事務所で男性しかいなかったので余計にかもしれません。
国家公務員だから、なのか、
あの小さな事務所であの人たちがいたから、なのか、
分かりませんが、国家公務員だった1ヶ月は本当に辛かった。
国家公務員の中にも優しい人や穏やかな人は多いと思います。
だけどわたしは出会えなかった。
わたしにあの場所は合わなかった。
今と違ってラインやTwitterはなくて、簡単に人と繋がれなくて、理解してくれる人もいなくて、本当に辛かったなぁ。
辞めてよかったって心の底から安堵しています。