氷河期世代の就職と現代の就職に関して思うこと【コラム】
氷河期世代は就職難で、ロストジェネレーション世代とも呼ばれる。
かくいう筆者も氷河期世代である。
氷河期世代は20代前半の若かった頃に就職が非常に難しく、正社員の道に行きたくても、非正規の道を余儀なくされた者が非常に多い。
景気が回復し、比較的就職しやすくなっても、その時にはすでに若さが失われており、就職では新卒にどうしても負けてしまい、派遣社員やフリーターのまま年齢を重ねてしまった人もいる。
筆者は若い頃こそ派遣社員として働いていたが、その後運良く正社員として就職することができた。
しかし、筆者はもともと仕事を続けられる属性ではなく、数年単位で仕事をころころ変えてしまっている。
決して褒められた人生ではないが、「就職活動を繰り返す」うちに、氷河期世代の就職と、現代の就職には「考え方」にズレがあることに気づいた。
まず、氷河期世代は「就職できれば勝ち組」であり、「就職することこそが目的」であった。
つまり、「仕事を選べなかった」
どんな条件でも関係なく、「就職すること」に固執していた。
そして現代の就職。
「自分のやりたいこと」を優先し、「仕事を選ぶ」世代。
仕事時間や有給消化など、プライベートとの兼ね合いで仕事を選んでも採用される。
どちらがより理想的かは明確である。
氷河期世代の筆者は、現代の若者が羨ましくてしょうがない。
いつの時代も「若さ」は武器であり、取り柄である。
若いからこそ乗り越えられることも多く、若いからこそできることもある。
氷河期世代は「若さ」がある時に望むように仕事を選ぶことができなかった。
低賃金や過酷な労働にも耐えていくしかなかった。
仕事がなければ生きていけないからである。
今でこそ「ブラック企業」などと言われ、過酷な労働は問題視される。
そんな時代になって良かったと心から思う。
そして現在。
筆者は再び就職活動をしている。
そこで思うことは、やっぱり「若さはどうしても有利」ということ。
筆者は年齢の割には勉強もすると自負しているし、独学で様々な勉強をしている。
しかし、「若さ」には勝てず、最初から「20代しか採用しない」という企業も数多い。
中年がいくら勉強を重ねていたとしても、「歳を取ると頭が固くなる」「歳を取ると体力が衰える」というイメージは強く、若さには敵わない。
「氷河期世代の就職を」ということで、自治体が活動していることも知っている。
ただ企業側の立場に立つと、「若い人を採用したい」という気持ちもわかる。
もし自分が採用する側の立場だとしても、よほど魅力がない限り若い人の方を採用するだろう。
そうして氷河期世代は孤立する。
時代から見捨てられて、自由に仕事を選ぶことができず、我慢を繰り返してしまうのだろう。
フラストレーションがたまり、時代を作った先代を恨み、仕事を選べる後代を羨み、取り残されていく。
最後にもう一度自分のことを少し話したい。
素敵な企業さん、自分を採用してください。